水に濡れたiPhoneってどうなるの?
iPhoneを水没させた経験がある方からよくいただく質問があります。
「濡れた時は動いてたのに、時間が経つとなぜ動かなくなってしまったのでしょうか?」
答えは【時間経過とともに急速に進行する劣化の影響】です。
この記事ではなるべく劣化を食い止める方法や、緊急時に優先して行っておくべき事もまとめています。ご覧ください。
濡れたiPhoneの中身
よくある【一瞬手洗い場で濡れてから、翌日には動かなくなっていた】というご相談があったときの写真です。

iPhoneの中は錆だらけになっていました。少しだけ水に触れた状況でも、通話時に音が鳴るイヤースピーカーのメッシュ部分からの浸入や、劣化した外装から液体が浸入することは十分にあります。
また、内部パーツはわざわざ防錆加工などしないことのほうが普通です。少しでも濡れて乾燥すれば錆や腐食などの劣化が起こります。外側はいつもと変わらず乾いていても、内部はどんどん汚染されてしまうのです。
水没したらすぐにやること
iPhoneの耐水機能であれば、水中でも数十分間動き続けられる基準をクリアしているので、できる限り動いているうちにバックアップを確保しておきましょう。充電器を挿してみるのはNGです。iPhone側が液体を検知して、充電をストップしてくれる機能もありますが、念の為充電はやめておきましょう。
内部に水が入ったとして、『振ったら水が出てくるかな?』と思うかもしれませんが、振っても水は内部で色んな所を旅行するだけで、外に出ていくことはほとんどありません。
とにかく最速でクラウド型バックアップを用意し、いつシャットダウンしても良いように備えましょう。
バックアップはどうやるの?
水没した後のバックアップはとにかく急ぎ&外部接続なしでできるものがおすすめです。クラウド型バックアップでもっとも精度が高いのは、やはりiCloudです。デフォルトでは容量が小さいので課金が必要かもしれません。月にジュース2本分も課金すれば十分すぎるほどの容量を購入できるでしょう。水没に関係なく、画面ロック状態でWiFiに接続され充電されている状況なら自動でバックアップを作成してくれるというサービスまで発動可能です。
サードパーティ製アプリでも無料・有料問わず、色々なアプリがあるので調べてみるのも楽しいと思います。中には、アプリとハードウェアを組み合わせた商品もあったり、買い切りタイプで、テクノロジーに明るくない人にも易しい商品があります。
乾燥させたほうが良い?
『乾燥させたほうが良い』というネットの記事は真に受けず、濡れたままの状態で修理店に持ち込むのがおすすめです。乾燥させても内部の劣化が進むだけです。正しく処置をしてくれる修理店であれば、劣化を最小限に留めてくれることでしょう。ただし、劣化をなかったことにはできないので、将来の端末寿命は短くなってしまうことが予想されます。
もっともおすすめできないのは【生米に突っ込む】です。理由は米がもったいないからです。百歩譲って、乾燥に使いたいということであれば炒った米を用意すると良いかもしれません。でもやはり、iPhoneは乾燥する前に修理店へご相談ください。(米に突っ込んでも大して乾燥していないiPhoneは多く見かけます。そもそもiPhoneの乾燥には効果が薄いようです。)
また、シリカゲルなどと同じ袋に入れて保管される方もおられますが、大量の水が液体のまま存在するので、吸湿するためのシリカゲルではほとんど効果がありません。短時間のうちに水分を除去するなら、携帯を開いて直接水を拭き取るしかないのです。
iPhoneの外的要因に対する耐久性
ここまでで、『iPhoneって防水携帯じゃないの?』と思うことでしょう。
たしかにiPhoneはフルモデルチェンジをおこなうたびに耐水性能を進化させてきました。2021年の現在では、テレビCMなどのプロモーションでも、粉塵や液体をくぐっても平気なiPhoneの様子がアピールされています。実際にIP等級試験をIP68相当でクリアするなど、携帯電話としては申し分ない防御性能を誇ります。(IP試験の様子は「IP試験」で検索すると写真付きで見ることができます)
IP試験では完全な防水を証明したわけではないため、液体の浸入を拒むだけで絶対に携帯の内側に水が入らないという事を表現しているわけではありません。
水に濡れても「動いてる」とか「動いてた」とか、iPhoneのメイン基板や重要なパーツに水没の影響が及ぶまでのタイムラグだっただけで、処置をしなければ動かなくなるのは時間の問題となるケースが多いのです。
iPhoneを水没から守るために
iPhoneを水に濡らしてしまうと、内部が急速に劣化して使用困難に陥ることがおわかりいただけたかと思います。iPhoneを水没から守るためには水に近づけないことが一番ですが、やはりお風呂に長く浸かりたい時、レジャーシーズン、飲み物が倒れるなど、日常生活のいろいろなところで液体との接触は起こるものです。まずは対処法をしっかり理解しておいて、早急に対策を講じられるようにしておきましょう。
まとめ
▶液体に濡らさない
▶無理に乾かさない
▶なるべく早く修理に出す
きちんと処理ができれば、買い替えをせずとも使用できる可能性がグッと高くなります。かくいう私も何度も水没でiPhoneを痛めてしまっていますが、4年ほど継続して使用できている携帯がありますので、身を持って処置の早さの大切さを知っています。
もしもiPhoneに水濡れなどがあれば、スマップル赤坂店へご相談ください。
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