スマートフォンが放つ、磁界の強い部分を知っていますか?
最近、お気に入りの機械式時計の進みが早くなったので修理に出しました。
iPhone修理のお仕事をしていると、スマートフォン・タブレット、工具などが放つ磁力によって機械式の時計は磁力を帯びてしまうということがわかりました。
もちろんiPhone修理のお仕事でなくとも、ノートパソコンやスマートフォンが身近にあれば誰だって磁力の影響が及ぶ範囲で生活しています。
今後、磁力に気をつけて機械式時計と付き合っていく人を応援する意味も込めて、iPhoneが発する磁場が強い部分をお伝えします。
iPhoneの磁場が強い部分は三箇所ある
iPhoneの周囲には均等に磁場があるわけではありません。
iPhone内部のパーツの配置によって、磁力が強い場所とそうで無いところがあります。
iPhoneの磁力が強い部分は三箇所で、イヤースピーカー、ラウドスピーカー、ロジックボードの三箇所の磁力が強いです。
携帯の上端にはイヤースピーカー(通話の時に相手の声が聞こえてくるスピーカー)があります。
携帯の下端にはラウドスピーカー(動画を見る時などにアクティブになるスピーカー)があります。
ロジックボードは機種によって左右の偏りがあります。
iPhone11シリーズまでなら普通にiPhoneを持った時に右側、iPhone12シリーズ以降であれば左側に配置されています。
この三箇所は、5センチほど離れても方位磁石を動かすほどの磁界を持っています。
iPhoneでない、アインドロイドのスマートフォンでも同様の傾向はあるでしょう。
スマートフォン以外にも磁力が強いものがある
iPhoneなどのスマートフォンから磁力が発せられていることはわかりました。
しかし、iPhoneに関連したプロダクトにも強い磁場を発生させるものは多くあります。
例えば、iPadなどのタブレット端末はより強い磁力を放ちます。特にiPadは磁石が内蔵されているので、注意が必要です。
また、MacBookなどのコンピュータも強い磁力を持っています。
iPhone、iPad、MacBookのケースには磁石を使って端末に張り付いたり、封を閉じるものがあります。
強力で上質な磁石である場合もありますので、機械式時計にとってはピンチとなります。
スマホからの磁力対策
iPhoneなどのスマートフォンから受ける磁力をどのように克服するかですが、今のところは「近づけすぎない」という対策しかないと思います。
磁耐性が強い腕時計をつけるのも良いかもしれませんが、デザインなども重要な要素ですから、好きな時計をつけて磁力対策をするのであれば、近づけすぎないことを意識するしかないでしょう。
- 左右どちらのポケットに携帯を入れるか考える。
- 時計を磁力のある雑貨の近くに置かない。
- 携帯やタブレットを使用する手は腕時計をしていない方にする。
単純に、モバイル端末に時計を近づけないということを意識して、十分に対策になると思います。
私の時計の進みが早くなるまで5年かかりましたので、よほど強い磁力に晒されない限りはそうそう狂うこともないでしょう。
ちなみに今回は修理に出して脱磁処理されて帰ってきました。
iPhone修理のための工具にも着時や脱磁ができるアイテムがあります。
今回は類似異業種の対応も見ることができて勉強になりました。
時計愛好家の皆様もiPhoneの磁力は侮らぬようにお気をつけください。